01/01-1970: 【アオキが語るスイーツ誕生の裏側①】パリのアパートの一室で誕生した『ケーク・オ・ショコラ』
Catégory : Boutique Tokyo
Posté par : Boutique Tokyo
【10年前の確信】
時は10年前にさかのぼり、
僕がまだ自分の店を持っていない時期の話。
当時はどのコンクールでも味覚審査を総なめにし、
自分がパリで勉強してきたことに自信と確信を
持ち始め、次のステップを模索していた時期でもありました。
フランス菓子を学んでいる自分は
フランスで何に魅力を感じ、何を美味しいと思っているのか?
そんな単純明快なことから自分自身に問いかけました。
『焼けた香ばしいフランス産の小麦粉の香りが好き』
『圧倒的な大地の恵みを感じるバターがたまらない』
『太陽の恵みで旨みが凝縮されたドライフルーツに夢中』
すべてが日本と違う!美味しさにプラスして
優雅な香りと力強さを兼ね備えたフランスの素材。
『僕はフランスのこういう素材が好き』
『この美味しさを一番に表現できるのはこれしかない』
確信的でした。
【僕が作りたいのはケーク・オ・ショコラ】
世界で一番美味しい素材で
『ケーク・オ・ショコラ』を焼こう。
そこまで確信していれば話は早い。
素材集めは簡単なもので、美味しい素材を
日頃から見てきた僕はすぐに素材をかき集めることができたものです。
『シャラント産の発酵バター』
『美味しさを選びぬいたドライフルーツ』
『香ばしい香りの小麦粉』
出来上がりのケークの姿とその美味しさのイメージが
明確に脳裏に浮かびました。
何度も嗜好錯誤して
確信的な想いがより強い実感に感じた瞬間。
【やっとできた】
試行錯誤の上、人に贈ってもいいものが
やっとできました。
まずは親戚にまとめて送ってみた。
一週間ずっと返事を待った。
すると、
『いくらお金がかかってもいいから日本に空輸して』と
うれしい声を続々と頂き、さらには親戚からその先へとどんどん広がり、
僕の7区のアパートの小さなオーブンはフル稼動です。
作り始めは、どれだけのケークを作るかなんて
少しも考えていませんでした。
勿論、焼くためのオーブンは家庭用のもしかなく型がぎりぎり3本しか入らない。
当然、1日に10本、20本ぐらいまではいいのですが、
ケークは焼成時間も1時間近く掛かる代物です。
材料準備、仕込から焼成まで、20本もこなすと軽く8時間は掛かってしまう。
30本過ぎたあたりから同じ家庭用オーブンが1台、また1台と増えていった…。
最後にはその3台のオーブンで1日に300本以上ものケークを焼き続けていたので
す。
【小さなアパートに充満するケーク・オ・ショコラの香り】
昼夜に及ぶケーク作りは、時間の感覚も奪い、
アパートの廊下じゅうには終日
ケークの匂いが充満していることさえ忘れさせました。
今考えると、よくアパートの住人からクレームがこなかったなと思います。
いや、実はきていたのかもしれないが全然覚えてません。(笑)
それでも大好きな物を作って、沢山の人に食べてもらえる喜びに浸りながら
ケーク作りをしていたこの時期は、
本当に心身共に圧倒的な充実感を感じていました。
この、『ケーク・オ・ショコラ』こそ、僕の始まりを飾る原点のであり、
僕の原点、『人に喜んでもらうこと』は
このケーキを作ることから得たモノローグなのです。
さあ、今日もパリで美味しいケークを焼こう。
時は10年前にさかのぼり、
僕がまだ自分の店を持っていない時期の話。
当時はどのコンクールでも味覚審査を総なめにし、
自分がパリで勉強してきたことに自信と確信を
持ち始め、次のステップを模索していた時期でもありました。
フランス菓子を学んでいる自分は
フランスで何に魅力を感じ、何を美味しいと思っているのか?
そんな単純明快なことから自分自身に問いかけました。
『焼けた香ばしいフランス産の小麦粉の香りが好き』
『圧倒的な大地の恵みを感じるバターがたまらない』
『太陽の恵みで旨みが凝縮されたドライフルーツに夢中』
すべてが日本と違う!美味しさにプラスして
優雅な香りと力強さを兼ね備えたフランスの素材。
『僕はフランスのこういう素材が好き』
『この美味しさを一番に表現できるのはこれしかない』
確信的でした。
【僕が作りたいのはケーク・オ・ショコラ】
世界で一番美味しい素材で
『ケーク・オ・ショコラ』を焼こう。
そこまで確信していれば話は早い。
素材集めは簡単なもので、美味しい素材を
日頃から見てきた僕はすぐに素材をかき集めることができたものです。
『シャラント産の発酵バター』
『美味しさを選びぬいたドライフルーツ』
『香ばしい香りの小麦粉』
出来上がりのケークの姿とその美味しさのイメージが
明確に脳裏に浮かびました。
何度も嗜好錯誤して
確信的な想いがより強い実感に感じた瞬間。
【やっとできた】
試行錯誤の上、人に贈ってもいいものが
やっとできました。
まずは親戚にまとめて送ってみた。
一週間ずっと返事を待った。
すると、
『いくらお金がかかってもいいから日本に空輸して』と
うれしい声を続々と頂き、さらには親戚からその先へとどんどん広がり、
僕の7区のアパートの小さなオーブンはフル稼動です。
作り始めは、どれだけのケークを作るかなんて
少しも考えていませんでした。
勿論、焼くためのオーブンは家庭用のもしかなく型がぎりぎり3本しか入らない。
当然、1日に10本、20本ぐらいまではいいのですが、
ケークは焼成時間も1時間近く掛かる代物です。
材料準備、仕込から焼成まで、20本もこなすと軽く8時間は掛かってしまう。
30本過ぎたあたりから同じ家庭用オーブンが1台、また1台と増えていった…。
最後にはその3台のオーブンで1日に300本以上ものケークを焼き続けていたので
す。
【小さなアパートに充満するケーク・オ・ショコラの香り】
昼夜に及ぶケーク作りは、時間の感覚も奪い、
アパートの廊下じゅうには終日
ケークの匂いが充満していることさえ忘れさせました。
今考えると、よくアパートの住人からクレームがこなかったなと思います。
いや、実はきていたのかもしれないが全然覚えてません。(笑)
それでも大好きな物を作って、沢山の人に食べてもらえる喜びに浸りながら
ケーク作りをしていたこの時期は、
本当に心身共に圧倒的な充実感を感じていました。
この、『ケーク・オ・ショコラ』こそ、僕の始まりを飾る原点のであり、
僕の原点、『人に喜んでもらうこと』は
このケーキを作ることから得たモノローグなのです。
さあ、今日もパリで美味しいケークを焼こう。