-微笑ましい光景- パリジャンからすればごくごく普通のアジア系家族に見える一家とサダハルアオキVaugirard店である日バッタリ。小さな女の子は自分と同じ名前のピンクのお菓子を口いっぱいに頬張っていました。彼女は泡が程好くたった温かい牛乳も大好きなようでお口の上には白いヒゲが愛らしくて、その女の子を見守るお父さん、お母さんの横顔もまた素敵でした。ピンクのお菓子『SAYA』を作ったお父さんは「彼女のバースデーにはずーっとこれ。」 と言っていました。何とも可愛らしいお話です。

時折、Vaugirard店で会うフランス人ファミリーが何組かいます。店に入った時の挨拶、ショーケースに手を鼻をつけない、メルシーの後にはマダムを付けるように。。。など実践の場でマナーをしっかり教えている光景を目にします。子供にも自分が食べたいものを決めさせ、全部まとめた上で販売スタッフに声をかけています。「今日は何個いただくわ。」とまず言って。大人社会でのルールをこうして少しずつ教えているのねぇと感心します。
また正しい食についても小さな頃から自分の舌で感じさせているようです。チョコレートの風味、生地のおいしさ、クリームの状態。。。 

数年前から、フランスのフード関係のジャーナリストが中心となって年に1回『Fooding Tour』をパリ市内で開催しています。ジャンキーフードに流れやすい若者にフレンチの食文化を見直してもらいたい、としたはからいで始めた試みです。フランス文化を語るときに食は欠く事のできないテーマであると様々なシチュエーションで実感しています。